2017.07.15

家を売却したいのに…隣の所有者が行方不明?!

家を売却したいのに、お隣さんの所有者が行方不明で困っているという方が増えています。家が倒壊している、境界線が不明なのに誰に言えばいい?どうすればいいの?という問題のようです。どのような対策があるのか説明させていただきます。

 

■倒壊寸前の家がお隣さん

家を売却したくて査定を依頼したら、「お隣の家が倒壊寸前でイメージが悪い」との理由で相場よりかなり安く査定をされた。このような状況にある方が急増しています。こんな場合はまず市役所で空き家に対する対策課が設置されていないか、相談してみてください。各行政によって取り組み方が同じではないのですが、誰の所有なのかわからない場合には、個人では調べられない情報の範囲でも市役所内のデーターから探し出してくれる場合があります。個人間で話を行うよりも行政からも危険で倒壊の懸念があることなどを所有者に指導してもらえないか確認してみましょう。

 

■査定は何社にも相談してみる

不動産会社への査定も一件ではなく、数社に問い合わせてみてください。隣地に倒壊寸前の家があることで確かに価格に影響することもあるでしょう。しかしそれが理由だけで「売れない物件」というレッテルを貼られたら大変です。プロならなんとかして売却する方法を考え出してくれなければ困りますよね。
市役所でもし隣地の所有者を調べることができたら、一緒に売却するつもりがないかと相談することもできます。土地が広くなると買い手のターゲットも増えます。

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■確定測量をする

売りたい家がまだ土地境界をしていない土地であるなら、確定測量をすることも一考です。費用はかかりますが次のような利点があります。

・確定測量により全ての隣地との境界線が明確になる

・実測してみると登記簿よりも面積が増える場合もある

・行方不明な隣地への対応と境界立ち合い

公簿取引が一般的となっていますが、確定測量をすることでその土地の広さだけでなく、道路との境界や間口、隣地との境界線も明確になります。土地価格の高いエリアでは測量費は売却額の差で消化できる場合も少なくありません。
また隣地の所有者が不明な場合、土地家屋調査士はその職務上の権限で登記簿やその住所をたどっていき、所有者を探すことができます。どうしても古い場合や相続人の全員が放棄をしており所有者が見つからない場合でも法務局に筆界の判定申請をすることも可能です。
空き家や倒壊寸前のお家が隣地の場合はそれをマイナス要因を捉えてしまうと売却も上手く進まなくなってしまいます。所有者が不明だと不安になるのも無理はありませんが、行政、専門家、不動産会社に協力を求めることで、当初よりも高く、魅力のある物件として売却できることも少なくありません。

まずは、査定をいくつか依頼し、市町村に問い合わせることから始めてみてください。