政令指定都市とは?中核都市とは?私たちにも関係する制度の違い
2020.03.28

政令指定都市とは?中核都市とは?私たちにも関係する制度の違い

あなたは一度くらい、「政令指定都市」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。

では「中核市」という言葉はご存知でしょうか。実は日本の都道府県は、法律や制度によって「国が指定する都市」の種類がいくつかに分かれているのです。

つまり政令指定都市とは別に、中核市という名前で指定された都市があるということ。

そもそも政令指定都市とは一体何でしょうか。中核市も聞きなれない言葉だという方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、政令指定都市と中核市の定義や違いを分かりやすく解説します。

政令指定都市や中核市に指定されると得られる、少し意外なメリットもご紹介しますのでぜひ最後までお読みください。

 

政令指定都市と中核市とは?わかりやすく解説

政令指定都市と中核市とは、「法で定められた規模に達している市」を指す言葉です。

規模と言っても面積ではなく「人口の規模」。政令指定都市や中核市は、ある程度の人口規模である都市に対して都道府県の権限を一部委譲する制度なのです。

政令指定都市や中核市は、都道府県にお伺いを立てることなく独自に政策を行えます。

そのため効率的、かつ市民の意向に沿った政策を進められるのです。

では政令指定都市と中核市の定義、またどんな権限が委譲されるのかご覧ください。

【地方自治法】

政令指定都市 中核市
根拠法 地方自治法252条の19 地方自治法252条の22
定義 人口50万以上の市 人口20万以上の市
委譲される権限 ●区の設置
●障害者手帳の交付
●老人ホームの認可
●福祉資金の貸付け
●飲食店などの営業許可
●浄化槽設置の届出
●産業廃棄物の業者に対する命令
●屋外広告物の設置制限
●区画整理などの都市計画関連の許可事務
など
政令指定都市に委譲された権限のうち
中核市が処理したほうが効率的であると
認められた事務を行うことができる

政令指定都市は「政令市」と呼ばれることもあります。

実は政令指定都市の人口規模は、法律が作られた当初「人口100万人」が基準でした。しかし国が市町村の合併を進めるにあたり要件を緩和し、現在は法の50万人を最低ラインにした上で、おおむね70万人が目安になっています。

政令指定都市という言葉を知っている人は多いですが、国の法律や制度の難しい話であるため中核市という言葉はあまり浸透していないように思えます。

そこで、都道府県ごとの政令指定都市と中核市を一覧でご紹介します。

 

【都道府県別】政令指定都市と中核市の一覧

もしあなたが中核市という言葉を初めて知ったなら、一度、人口が多いイメージの都市を思い浮かべてみてください。あなたがイメージする人口が多い都市は、意外と中核市に指定されていたりします。

ではあなたがイメージした都市が、政令指定都市や中核市に指定されているか一覧で見てみましょう。

政令指定都市 中核市
全国 20市 58市
北海道 札幌市 函館市、旭川市
青森県 青森市、八戸市
岩手県 盛岡市
宮城県 仙台市
秋田県 秋田市
山形県 山形市
福島県 いわき市
茨城県
栃木県 宇都宮市
群馬県 前橋市、高崎市
埼玉県 さいたま市 川越市、川口市、越谷市
千葉県 千葉市 船橋市、柏市
東京都 八王子市
神奈川県 横浜市、川崎市、相模原市 横須賀市
新潟県 新潟市
富山県 富山市
 石川県 金沢市
福井県 福井市
山梨県 甲府市
長野県 長野市
岐阜県 岐阜市
静岡県 静岡市、浜松市
愛知県 名古屋市 豊橋市、岡崎市、豊田市
三重県
滋賀県 大津市
京都府 京都市
大阪府 大阪市、堺市 豊中市、高槻市、寝屋川市、枚方市、八尾市、東大阪市
兵庫県 神戸市 姫路市、尼崎市、明石市、西宮市
奈良県 奈良市
和歌山県 和歌山市
鳥取県 鳥取市
島根県 松江市
岡山県 岡山市 倉敷市
広島県 広島市 呉市、福山市
山口県 下関市
徳島県
香川県 高松市
愛媛県 松山市
高知県 高知市
福岡県 北九州市、福岡市 久留米市
佐賀県
長崎県 長崎市、佐世保市
熊本県 熊本市
大分県 大分市
宮崎県 宮崎市
鹿児島県 鹿児島市
沖縄県 那覇市

他にも、現時点で中核市指定の候補とされている都市もあります。例えば政令指定都市や中核市の指定がない茨城県(水戸市、つくば市)や三重県(津市、四日市市)、佐賀県(佐賀市)などです。

あなたがイメージした都市は、一覧の中に入っていたでしょうか。

では続いて、人口が多い都市を政令指定都市と中核市の別でランキングにして見てみましょう。

 

政令指定都市と中核市の人口ランキング!

全ての都市をランキングにするとスペースが足りないため、ここでは政令指定都市と中核市を人口が多い順に20位までご紹介します。

あなたが住んでいる都市について、「だいたいこのくらいかな……」と予想しながらご覧ください。

政令指定都市 中核市
1位 横浜 372万人 船橋 62万人
2位 大阪 269万人 鹿児島 59万人
3位 名古屋 229万人 川口 57万人
4位 札幌 195万人 八王子 57万人
5位 神戸 153万人 姫路 53万人
6位 福岡 153万人 宇都宮 51万人
7位 川崎 147万人 松山 51万人
8位 京都 147万人 東大阪 50万人
9位 さいたま 126万人 西宮 48万人
10位 広島 119万人 倉敷 47万人
11位 仙台 108万人 大分 47万人
12位 千葉 97万人 金沢 46万人
13位 北九州 96万人 福山 46万人
14位 83万人 尼崎 45万人
15位 新潟 81万人 豊田 42万人
16位 浜松 79万人 高松 42万人
17位 熊本 74万人 長崎 42万人
18位 相模原 72万人 41万人
19位 岡山 71万人 富山 41万人
20位 静岡 70万人 横須賀 40万人

上表は平成27年の国勢調査による人口です。よって現時点での実際の人口とは違う可能性があります。

またここまでご覧いただき、「東京の23区は?」と思われたのではないでしょうか。

東京都の23区は「特別区」と言い、また別の制度による都市です。世田谷区90万人以上、練馬区や大田区で70万人以上と政令指定都市と変わらない人口規模ですが、政令指定都市や中核市とは区別されています。

特別区と政令指定都市、中核市の違いについて詳しい解説は省略しますが、特別区と中核市はほぼ同じ役割を持つ自治体。つまり「政令指定都市」「特別区=中核市(一般の市を含む)」といった関係にあると覚えていただければ良いでしょう。

 

暮らしはどう変わる?政令指定都市と中核市のメリット

ここまで政令指定都市と中核市の違いや人口規模などをご覧いただきました。

ただ「政令指定都市や中核市に指定されるメリットって何だろう?」と疑問もあるのではないでしょうか。

メリットとは違いますが、分かりやすいところで言うと「政令指定都市になると独自に宝くじを販売できる」というルールがあります。

例えば宝くじの券面に「地域名」が表記されているのを見たことがないでしょうか。

宝くじの券面

引用:宝くじ公式サイト

小さな文字ですが、券面の右下に「発売 西日本ブロック17件 5指定都市」と記載があります。つまり政令指定都市で発行している宝くじという意味です。

もちろん他にも政令指定都市や中核市に指定されるメリットはあります。

メリットの種類は多岐に渡りますが、イメージしやすい主なメリットをご覧ください。

●規模の大きな都市というイメージアップに繋がり、人口増加に期待できる●県の了承を得ずに市民の希望に即した保健福祉に関する施策を実行できる

●各手続きなどは県を通さなくて良いので、手続き完了のスピードが早くなる

●区画整理や道路の整備などを積極的に行えるようになる

●企業や各種サービスなどについて直接的に指導、監視ができるようになる

●(政令指定都市)行政区ができることで遠かった役所を近くに設置できる

●その他市民の意向に沿った、きめ細かい行政サービスを展開できる

厳密には「事務の権限を委譲される」のが各指定都市です。ただ結果として政令指定都市も中核市も、市民に寄り添った行政サービスを行えるため、政令指定都市や中核市に指定されるのは大きなメリットがあるのです。

政令指定都市や中核市といった制度をあまり意識したことがなかったのであれば、あなたがお住いの地域でどんな行政サービスがあるか確認してみてください。

「いいな!」と思った行政サービスがあれば、実は政令指定都市や中核市だからこそできる行政サービスかもしれません。