2017.12.09

こまった! お隣さんの樹がうちの庭に・・

隣のお家から枝が伸びてきて伸びて葉っぱが落ちたりとっても困る。何とかしてほしいんだけど・・
お隣さんとは良好な関係でいたいから、言い方も考えてしまいますね。
間違ったことを行ってしまうと思わぬトラブルに発展することもありますので、法律上はどうなってるのか?マメ知識として覚えておきましょう!

 

隣地から枝や落ち葉が越境してきたら?

隣地に植えられた植物の根や新芽が生えてきたら?

まとめ 

 

隣地から枝や落ち葉が越境してきたら?

民法では、「隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」これだけを読むと、「枝や木が越境してきたら、隣人に切らせれば良い」と解釈してしまいそうですよね?しかし、この解釈で考えると、越境させた側は、ほんの数ミリ飛び出た枝でもいちいち強制的に切除させられることになってしまいます。
それはちょっと乱暴すぎますよね?
判例(裁判での判決事例)からその意味を読み解くと、もう少し深い理解が必要だということがわかってきます。それは、枝や落ち葉等によって被害が出ている事を前提にしているということです。

実際、ほとんどの場合は「こちらで切ってもいいですか?」等と隣人に切除の承諾を得るのが最善のアクションになるでしょう。では、落ち葉によって排水口や樋が詰まってしまうとか、枝が家屋に当たるといった実被害が生じている場合はどうでしょうか。
このような被害の発生が前提であれば、相手側に切除の要請をしても違和感はありませんよね?そして、その要請によってトラブルになった時、この条文が解決してくれるわけです。
切除の要請をする前に、まずは常識的な対応が求められているのだと心得ておきましょう。

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隣地に植えられた植物の根や新芽が生えてきたら?

 

民法233条の2項では、「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」とされています。
ここでは、地面から越境してきた場合の事を定めています。
これは、自分の土地から生えてきた場合には、その根は隣人に断ることなく勝手に切り取って良いという意味ですが、もう少し深い解釈をしておくと尚良いと思います。

 

地面から越境した根を傷めたことが原因で隣地の樹木が枯れてしまうと、思わぬトラブルになる可能性がありますよね?
生えてきた根を自由に切り取ることまでは許されていますが、それによって樹木を枯れさせても良いわけではありません。
つまり、除草剤等の使用をして隣地の樹木が枯れれば、損害賠償請求される可能性もあるということです。
基本的な前提としては勝手に切除して良いものの、処理の方法や程度については、やはり常識的な判断が求められていると考えましょう。

 

まとめ

 

植物の越境については、このような民法上での基本的な考え方を覚えておき、トラブルが起きにくい方法を選んで対処することが重要ですね。
樹木については、一度切ってしまうと取り返しがつきませんから、承諾なく枝を切除することは決してしないようにしましょう。
また、根の場合でも、樹木の種類や状況等を考慮して切除し、樹木を枯らさないように注意しましょう。どちらの場合においても、適切な判断の上でトラブルの無いように対処したいですね。

植物では無く、物体が越境している場合は、専門家に相談することをお勧めします。この場合、将来に撤去を約束するための法的な必要事項を記載した書面(合意書・念書・覚書・協定書等)を作成しておくのが理想です。