2018.11.30

ベタ基礎のメリットについて

近年、一戸建の建築にベタ基礎を採用している会社が増えています。
この為、ベタ基礎という言葉を耳にする機会が増え、「優れた基礎」というイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、ベタ基礎のどんな部分が優れているのか、少し細かくご紹介したいと思います。

 

  1. 基礎の種類
  2. コストの違い
  3. 強度のメリット
  4. ベタ基礎のメリット・デメリット
  5. まとめ

 

基礎の種類

一般的には、一戸建の基礎として採用されるのは、「ベタ基礎」か「布基礎」のどちらかになります。
ベタ基礎の形状は、小学校等にある25mプールのような、箱型の形状をしているのが特徴です。
底の部分全体で建物を支える基礎構造なので、地盤の弱い場所に向いています。
つまり、地面に対して「面」で支えるという構造体です。
一方、布基礎は、昔からあるタイプの基礎です。床下が土になっていて、基礎の土台で建物を支える形状となっています。
最近は、布基礎でも土の部分を露出させず、コンクリートを敷設するケースも増えました。
見た目はベタ基礎のように見えますが、底部分に配筋をしていない点で異なります。

コストの違い

ベタ基礎と布基礎を比べると、一般的には布基礎のほうが安く施工できると言われます。
ベタ基礎は、底全体に鉄材の配筋が必要ですし、コンクリート使用量も多いからです。コスト的に見れば、ベタ基礎のメリットは無さそうですよね。
しかし、ベタ基礎は、コストはやや高くなる一方で、施工が簡単で工期が短く済むというメリットがあります。
施工が簡単だと、新しい人材にも教え易いので、人件費の面でもメリットが生まれます。
布基礎は、コンクリート使用量の関係から安くできるのですが、施工の手間が多く、熟練の職人である必要があるわけです。

強度のメリット

施工コストや手間等は、施主にはあまり関係の無い部分です。施主としては、強度の高い基礎を採用してほしいというのが本音ですよね。
いくらコストをかけても、強度が得られなければ意味がありませんから、当然の要望だと思います。
「ベタ基礎と布基礎では、どちらの基礎が強いのか」という疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
実は、この点については、それぞれが得意とする強さが異なる為、少し説明が難しい部分があります。
基礎の高さは、布基礎の方が高く、縦方向の力に優れています。ベタ基礎は、基礎全体で力を受ける為、力のかかり方によっては布基礎を上回ることになります。

 

ベタ基礎のメリット・デメリット

多くの企業がベタ基礎を採用する理由は、布基礎に比べて有利な点があるからです。具体的には、以下のようなメリットから採用されています。

・建物の不動沈下が発生しにくい
・地盤の弱い場所に向いている
・布基礎より施工が簡単
・湿気が発生しにくい
・シロアリに侵入されにくい

一方で、ベタ基礎は、布基礎に比べて総重量が大きくなります。
布基礎よりもコンクリートと配筋の量が多い為、コスト面では高くなるのがデメリットです。
コンクリートの単価は高くなりますが、土の露出をさせない事で、土からの湿気とシロアリの侵入を防ぐ効果が得られますので、この点が好まれる傾向もあります。

まとめ

ベタ基礎は、少しコストがかかりますが、いくつかのメリットがあります。
布基礎は、コストは安いですが、湿気対策と防蟻処理には注意が必要です。実際のところ、布基礎の施工にも様々なものがあり、比較が難しい面があります。
布基礎は、縦方向にかかる力を支える性能に長けている面もあり、軽量鉄骨の建物にはこちらが向いているという専門家もいます。
布基礎でも、土を露出させないような施工をするケースも増えてきましたし、土地と建物の状況に合わせて選ぶことが大切ですね。