2017.08.22

地面師詐欺とは?個人間で不動産取引を行うことのリスク

 

物件を探していると「知り合いに売りたい人がいるよ」と紹介を受ける人も多いでしょう。そして知人からの紹介だということで不動産会社を通さずに契約をする人も…
でもその契約、本当に売主さんなのでしょうか? 今話題のニュースでもある売主なりすましの詐欺があります。

 

 発祥は戦後、バブル期に一気に増加、地面師詐欺

地面師という詐欺手法は戦後まもなく、戦災地が混乱していることを逆手にとり地主を装い土地取引をしていた詐欺集団です。集団という理由は土地の取引を一人や二人ででっちあげることが困難で、そこには関係者や決済に立ち会う司法書士なども関係していたからです。
戦後なら確かにこのような取引詐欺も防ぎようがなかったでしょう。やがて日本経済に復興が見られ安定し、登記制度も再度整備され、このような事は起こりにくい時代が続きました。しかしバブル期、値上がりを続ける不動産市場にまたもや地面師が勢いを増すきっかけを作ったのです。

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権利証がなくても取引ができた時代

不動産の取引を行うときには「権利証」がつきものです。所有権の登記済証がいわゆる権利証です。それを所持していることで真の所有者であると判断されていました。しかし権利証を紛失する人も多いためそのような場合には「同管轄法務局内において登記を受けたことのある成人2人の保証書」を以って権利証に代えることができたのです。平成17年からオンライン指定庁に指定された登記所ではこの保証書制度は順次廃止されました。オンライン登記で権利証がないのですから保証書制度もありません。この時点でかなりの地面師による詐欺は減少したはずだったのです。

 プロ集団の新しい手法

登記制度もオンライン化に伴い、権利証が廃止され保証人による偽装所有者も困難になったと思われていました。しかしテクノロジーの進化は詐欺の手口にも進化をもたらしました。プリンターの発達により実印や各種証明書の偽造も簡単になりました。住民票や印鑑証明書を偽装することもプロの手にかかれば困難ではないようです。最終的には取引の際は司法書士による本人確認がされます。この時点でどれだけ完璧に本人確認になる証明書を偽装しているかがで簡単に司法書士でも騙されてしまいます。一方、本人になりすまして取引を行う場合はこのような手口が使われますが、代理人になりすますこともあります。所有者が海外で取引に立ち合えない、病弱で入院中であるなどという理由をもって代理人になりすますのです。これも委任状を確認したからと言って100%信用できるわけでもありません。 

いずれにしても司法書士や弁護士など法律家が関与している場合もあり、一般の人には詐欺なのかどうかが全く見分けがつかない場合が殆どです。購入代金だけを支払い、最終的には所有権の登記移転が法務局で受け付けられないという結末になってしまいます。せめて個人の間の取引には注意をし、必ず宅建業者に入ってもらい本当の所有者との取引なのかどうかは慎重になったほうが良いでしょう。