2016.11.29

冬うつ あなたは 大丈夫? 季節性うつとの上手なつきあい

「心の風邪」といわれるうつ病。身の回りでうつ病に悩んだり、職場で療養する同僚がいたり、身近になった感じがあります。

しかし最近、一般的なうつ病とはまたちがう、季節性のうつ病が注目されています。冬季うつ病です。寒い季節に限ってメンタルが落ち込んで、日常生活が停滞する厄介な症状。数ヶ月続く冬から春先の時期を上手に乗り切るためのポイントをまとめてみましょう。

 

冬季うつ病の症状とは

寒い季節になるにつれて、やる気がなくなったり、元気が出なくて仕事や勉強が手に付かなくなったり、生活全般に影響がでるうつ病の一種です。例年、10月や11月といった晩秋に症状がスタートして、3月頃、暖かくなってくると収まってきます。四季がハッキリしている日本でとくに多いと言われている病気です。

 

冬季うつ病の原因は?

冬季うつ病は季節性感情障害(SAD)の一種です。うつ病と症状が似ていますが、その原因は日照時間が少なくなったり、気温が低下したり、季節の変化が大きいと考えられています。実際に、北欧やイギリス、ロシアのように日照時間が短い国々ほど、冬季うつ病患者が多い傾向があります。

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上手に症状と付き合うには?

日照時間が大きな原因なので、冬から春にかけて積極的に日光を浴びるようにしましょう。最近の住宅は遮光性の高いカーテンを使っていたり、気密性が高くて気温の変化を感じにくかったり、自然の光や空気と距離があきがちです。朝起きたら、すぐに窓を開けて空気の入れ換えをしましょう。そして、カーテンを開けて、朝日をしっかり浴びます。また、日中はできるだけ外に出て、30分から1時間程度ウォーキングをするとより効果的です。うつ病を改善するには良質の睡眠を取ることが何より大切です。日光を浴びると体内で睡眠を促進させるメラトニン分泌がアップします。また、ウォーキングによって全身の筋肉を使うため、血流がアップして、夕方以降の眠気を誘います。

本格的な対策なら光療法
日照時間を意識して浴びる高照度光療法というアプローチも効果的です。人工的に作り出す太陽光に似た光線がうつ症状の改善をサポートします。

また、食生活の改善も大切です。青魚に多いDHAやEPAを多く食べると、脳内で気持ちの安定化を促すセロトニン分泌を活発にさせるからです。

冬場は体を労る生活を
このほか、冬季うつ病になる季節は、うつ症状を悪化させない暮らしが大切です。仕事のストレスをできるだけ避けるように心がけたり、心身に負担を掛けないよう注意したり、生活全般をゆったりモードにするようにしてみてください。もし、うつ症状がひどくなったら、季節性のものだからと看過せず、一度精神科や心療内科に相談してみましょう。

 

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