2018.09.20

マイホーム購入持分比率に注意!?

住宅購入時には、住宅ローンを利用する人が多いですよね。
実は、住宅ローンを夫婦で組む場合には、色々と考えておかなければいけない事があります。
その時になって、突然に決めなければならなくなると、正しい判断が出来ない事もあるはずですから、事前に勉強しておきたいところです。
今回は、債務の種類と合わせて、注意点をご紹介したいと思います。

 

・収入合算での購入
・連帯の方式を知ろう!
・持分設定による贈与
・返済による贈与
・登記時の持分割合
・まとめ

収入合算での購入

共稼ぎの夫婦の場合、二人の年収を合算して住宅ローンを組むことが出来ます。
住宅ローンは、とても長い期間に渡って影響を及ぼすものですから、「人生」という単位で検討しなければならない部分が出て来ます。
これは、良い事も、悪い事も含めて考える必要があるという事です。

例えば、夫婦どちらかの返済能力が無くなった時、配偶者が返済義務を負う関係であることを前提に考えるといった事が必要になります。
あまり考えたくない事ではありますが、万が一の離婚や、相続の際の事まで考える人もいます。

共同で購入するという事は、お互いに大きな責任を負担し合うという事でもあります。
ですから、きちんと自分の権利や義務について把握した上で決めなければいけない部分があるわけです。

連帯の方式を知ろう!

夫婦で住宅ローンを組む場合、選択できる方式は、主に次の3種類です。

  1. 連帯債務

連帯債務は、そのローン全額に対して、2人が同じように債務を負うローンです。
この為、住宅ローン控除もそれぞれの持ち分比率に対し、両者が申請できます。団体信用生命保険には、主たる債務者だけが加入する形態です。

  1. 連帯保証

連帯保証は、基本的に債務者が一人です。住宅ローン控除も、主たる債務者しかできません。
ご主人が払えなくなった時だけ、妻が代わりに返済するという方式です。

 3.ペアローン

ペアローンは、それぞれが別々の住宅ローンを組むものです。
団体信用生命保険にも夫婦で加入できます。
住宅ローン控除については、自分の借入額に対してすることができます。
但し、ペアローンは、ペアとなる相手の連帯保証人にもならなくてはいけません。
自分が無事に返済を終えても、相手が返済不能になった際には連帯保証の際と同じ責任を負います。

これらについては、事前によく理解しておく必要があります。
「これでいいか」等と、その場で決めるような事ではありませんよね。実は、ローンの組み方によって、贈与とみなされてしまう場合もあるのです。
では、どのような場合に贈与として扱われるのかを説明していきましょう。

持分設定による贈与

持分というのは、不動産の名義について、「誰がどれくらいの割合で所有しているか」を表すものです。
つまり、登記上では、購入資金を出した割合と、持分の比率が同じでなければおかしいという考え方なのです。
ですから、単純に夫婦で半分ずつ持分を設定してしまうと、自分が実際にお金を出していない部分について贈与されたことになってしまうのです。
持分と負担割合が異なる場合、夫婦間での贈与があったという扱いをされるという事です。
この為、実際のお金の流と異なる登記をしてはいけないのです。

返済による贈与

もう一つの贈与は、返済によって贈与になるケースです。
例えば、妻が住宅ローンを組んだ後に出産することになり、会社を退職した場合等です。
収入が無くなった妻の分の住宅ローンは、ご主人が返済していく事になります。
でも、持分は妻に設定されているはずですよね?
すると、ご主人が返済した分は、ご主人から妻へ贈与された格好になります。これが、贈与税の対象となる可能性があるわけです。
将来、妻が退職する可能性がある場合、あらかじめ妻の住宅ローン部分を少なくしておくといった対策が必要です。

登記時の持分割合

住宅購入をしたら、決済前に、建物と土地の所有権をどのような割合で登記するのかを決めます。
先程も述べたように、これは、その土地と建物に対して出資した割合で決めるのが基本です。
お金を出していないのに持分を与えれば、贈与という扱いになってしまいますので、出資比率に合わせるのが通常です。
ですから、夫婦の出資比率や、住宅ローンの借入比率等を反映させるようにしましょう。
ご両親からの援助を受ける際等も、税理士等とよく相談しておくと良い対策が出来ると思います。

まとめ

一見すると、ペアローンは分かり易くて魅力的に感じるかも知れません。
しかし、2契約分の借入諸費用がかかる事や、夫婦の一方が退職をする可能性がある場合には向かない部分があります。
それぞれのメリットとデメリットを長い目線で考える必要がある事が理解していただけたのではないでしょうか。
自分で決めかねる場合には、専門家に相談する事が大切です。
今後の人生に大きな影響が出る可能性がある決定事項ですので、慎重に検討するようにしましょう。