住宅ローンのある人がiDeCoを始める時には気を付けて!
何かと話題の iDeCo(個人型確定拠出年金)。今までは加入できなかった公務員や一定の企業にお勤めの方でも対象になるように法改正されました。老後破産や将来の先行きに不安をあおるようなニュースが多い中、iDeCoを始めようと思っている人も多いはず。でもその前に!!住宅ローンのある人やこれから家を買う人はその前にこの記事を参考にしてください。
個人型確定拠出年金 iDeCoが注目されている理由とは?
皆さんが加入している年金。その受給額では老後の暮らしはカバーできないと言われています。夫婦が安心して暮らせるには最低50万円が月々必要だとか。厚生年金加入者の会社員ですらそんな受給額は平均的ではありませんね。そこで今から個人で年金を上乗せしておきましょう!と注目されているのがこのiDeCoです。この上乗せでかける金額が毎年年度末に所得の額から控除してもらえるというのもウリです。年収400万円の人が毎月2万円づつかけていると24万円が控除され所得が376万円として計算されることになります。
住宅ローンを組んでいる人の控除とは
一方で住宅ローンのある人も毎年年度末に控除を受けます。この控除はローンの残債に対して1%相当の額を税額から控除されるということになります。所得から税額を計算しその税額から住宅ローン分を差し引いてもらえるのがこの制度です。
・個人型確定拠出年金は所得からその掛け金を差し引く
・住宅ローン控除は税額から差し引く
この二つの違いを考えると…
個人型確定拠出年金の掛け金で控除され所得がぐんと減ってしまい、そこで税額も減少し、住宅ローンでの控除枠を使えきれないかもしれない、という結果になります。
住民税では?
住宅ローン減税では所得税だけで消化できなかった分を住民税にもその課税所得総額の7%を限度に控除されます。少し安心しましたね。でも一方の個人型確定拠出年金の掛け金はその全額が住民税からも控除されるのです。なんだかとても複雑になってきました。結局どうなの?と思われた方はシュミレーションしてみるのが得策です。
複雑な数字はここでは省略しますが、
年収400万 奥さんと16歳未満のお子さんお二人
住宅ローン残債3000万円 の方が個人型確定拠出年金を毎月15000円づつ積み立てた場合は…
30万円の住宅ローン控除のうち約15万円分が消化できないという数字になります。
※実際の計算には医療費控除、奥さんに収入のある場合などで多少の変動はあります。
そして・・・。
個人型確定拠出型年金は毎年の掛け金が所得税控除されるだけではなく、その運用で得た利益に対しても非課税です。これはかなり長期的にシミュレーションしなくてはいけない要素ですね。
運用するべきかどうかは個人でかなり違う!
結論的には…
個人所得に対しての運用&節税課題なので個々の資産、借入、家族構成、その他の控除条件によりかなり変わってくることがわかりました。新制度が施行されてから以降各金融機関はこぞってi DeCoへの運用アピールが強いのですが、ここまでのシュミレーションをしてくれる窓口は稀でしょう。
家も買ったし(又はもうすぐ買う)次は老後対策だ!と慌ててiDeCoを契約してしまうとひょっとして「あまり得」ではないかもしれないし「老後に有利」になるかもしれません。ちょっと古いかもしれませんが慌てるなんとかは…ということわざもあることですし、契約前にはちょっと調べてみること必須のようです。