2017.05.11

住宅ローンの繰り上げ返済は堅実だったのは昔の話?!

住宅ローンを組んでいる人なら誰もが考える「繰り上げ返済」。早く返してすっきりしたい!早く返したほうが金利分得する!と思うのでしょう。
でもその繰り上げ返済は本当に堅実は方法なのでしょうか?今と昔、繰り上げ返済の考え方がどうやら変わってきています。

確かに返済額には差が出る

住宅でローンを組む場合都市部ではその金額の平均が3500万円だといいます。中古や新築など物件に違いはあれど、平均て金3000万円から3500万円で30~35年という住宅ローンを組みますね。その決まった返済から更にプラスアルファして返済することを「繰り上げ返済」といいます。

月々の返済を変えないでその期間を短縮する方法と月々の返済額を減らして期間をそのままにする方法があります。いずれにしても繰り上げ返済を行うことで確かに利息の総支払い額はとても大きく変わってきます。日本住宅ローン株式会社のページにはご自身が組んでいるローンを繰り上げ返済するとどうなるのかシミュレーションすることができます。
https://www.mc-j.co.jp/loan/kuriage.html#comments

これを使って実際に繰り上げ返済の効果を検証してみましょう。

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額ではなく期間とその差に注目しましょう

次のような想定でシミュレーションしてみます。

・3000万円
・金利1.2%
・期間30年

一年後に100万円の繰り上げ返済をすると、約45万円の減額軽減、1年3か月の期間短縮になります。
でもこれを1年後ではなく5年目に100万円を繰り上げ返済すると、37万円の減額軽減で1年2か月期間が短くなります。
1年で100万円繰り上げ返済するのと、5年で100万円繰り上げ返済する労力は全く違うのに、その効果の違いはたったのこれだけなのは驚きです。この違いに気付いている人はとっても少ないのです。

 

住宅ローンは人生設計の一部

住宅ローンは最も額の多い固定費かもしれません。生活費の中で最もウェイトを占めているでしょう。しかしそれを軽減することばかりに意識を強めてしまいすぎると、人生設計が大きく狂う可能性があります。
出産費用、教育費、不景気による減給など30年もの間、いろんなことが起こり得ます。そんな時のための貯蓄もとても重要なのです。1年で100万円を繰り上げ返済するよりも1年で20万円プラス貯蓄をしていき、5年おきに繰り上げ返済するか否か、またはいくら返済するかを決断するほうが賢明です。

 

繰り上げ返済は終身雇用、生涯昇給世代ならではの鉄板

子供が独立して自身が定年するまでの長い人生、今の時代は何が起こるかわかりません。しかし一昔前、終身雇用や生涯昇給があり、退職金も決まっていた時代なら住宅ローンを早く返し切ったほうが老後は絶対安泰だったでしょう。景気のいい時は金利も高かったこともあり繰り上げ返済は鉄板でした。
しかし、いまは低金利時代で長い人生で何が起こるかの不安がどこの家庭にもあります。せっせと繰り上げ返済してもさほど違いがないのであれば、他の出費とのバランスを常に考えて最も良いタイミングでムリなく行うほうがリスクヘッジになります。

住宅ローンは家族の夢のマイホームの為に組みます。だったらその返済方法もまずは家族の幸せを優先した返し方を考えなければ思わぬ窮地に陥ってしまいます。組む前も組んだ後も最良の返し方を選んでください。