2018.12.10

宅地建物取引士の仕事と役割、知っていますか?

不動産関係者の定番資格である宅建ですが、その本来の役割について説明できる人は少ないのではないでしょうか。この記事では、購入する側にも知っておいていただきたい宅地建物取引士の役割についてご紹介します。

・宅建の歴史

・宅地建物取引士の義務

・宅地建物取引士の専任業務

知っておきたい豆知識

・まとめ

 

宅建の歴史

資格創設時は、「宅地建物取引員」という名称でしたが、昭和40年からは「宅地建物取引主任者」に改名され、長い間この名称で呼ばれてきました。
更に、平成26年の改正によって「宅地建物取引士」という名称に改められ、現在に至ります。
宅地建物取引士は、不動産について専門知識を持った人を設置し、不動産取引についての重要事項説明の義務を遂行する役割を持っています。
これにより、不動産知識の乏しい一般の人達が、不動産取引によって不測の損害を被ることを防止する目的があります。

宅地建物取引士の義務

購入者側も、宅地建物取引士の義務について知っておくと、「それ、ダメですよね」等と指摘することができますよね。
そこで、宅地建物取引士の具体的な禁止事項等についてご紹介しておきます。

信用失墜行為の禁止(宅地建物取引業法 第15条の2)
 宅地建物取引士は、この資格の信用や品位を害するような行為をしてはならないと定められています。

知識と能力の維持向上(宅地建物取引業法 第15条の3)
宅地建物取引士は、不動産取引に係る事務に必要な知識と能力の維持向上に努めなければならないと定められています。

宅地建物取引士の専任業務

専任業務とは、宅地建物取引士しかやってはいけない仕事のことです。
ここでご紹介する業務については、必ず宅地建物取引士の資格を持っている人が行っている事を確認しましょう。
宅地建物取引士の専任業務は、以下の3つです。

重要事項の説明

契約を締結する前に、その物件を取引する上での重要事項を記載した書面を交付し、説明を行うこと。
書類の作成自体は、説明をする宅地建物取引士が行わない場合もありますが、内容を確認して説明するのは必ず宅地建物取引士である必要があります。

重要事項説明書への記名・押印

重要事項説明書に、その内容を説明した宅地建物取引士が記名・押印をすること。
※資格を持っていない営業マン等は、記名・押印をすることはできません。

契約書への記名・押印

契約書の記載内容を確認した宅地建物取引士の記名と押印をすること。
重要事項説明書の内容に沿った契約書であることを確認したという意味があります。

 

知っておきたい豆知識

不動産業者(宅地建物取引業者)は、従業員5名に対して1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置かなければならない事になっています。
宅地建物取引士は、重要事項の説明をする際、宅地建物取引士証を提示しなければいけないことになっています。
万が一、提示されなかった場合は、必ず提示を求めましょう。
不動産会社の接客ルーム等をよく見てみると、宅建業者の免許番号等の情報や、専任の宅地建物取引士の氏名等も掲示されています。
不動産取引を行う際、顧客側がきちんとした業者であるか確かめることができるように掲示義務があるからです。
しかし、実際のところ、顧客側がこの掲示義務を知らない事が多いので、見ていない人が大半だと思います。
不動産屋さんに行った際には、少し気にして見てみてください。

まとめ

不動産の取引を行う際には、必ず宅地建物取引主任者が係わります。
そして、説明をした責任を、記名・押印によって残しているわけです。今回のお話で、宅地建物取引士の仕事内容と、何のために関与しているのかが理解できたのではないでしょうか。
顧客側も、このような基礎的な知識を持って不動産業者に足を運ぶのが理想ですね。
是非、覚えておいてくださいね。