2017.08.06

日本国土の約2割、九州がすっぽり入る広さの土地所有者が行方不明!!

日本の全国土の約2割にあたる広さの土地。それらの土地の所有者が行方不明になっているという調査結果の発表がありました。一体どういうことなのでしょう。

 

土地所有者行方不明問題の原因

有識者による研究会によると全国の土地その約2割に該当する広さにつき、所有者が行方不明であることがわかったそうです。九州がすっぽり入るくらいの広い範囲に及びます。この所有者不明の土地が多いという問題が浮き彫りになったのは、東日本大震災の復興地が発端になっています。復興予定地の土地収用を行うために地権者を調べたところ、相続が発生しているのにその登記が放置されたままであること例が多数あることが判明しました。復興が迅速に進められないという弊害が出て問題となっていました。

日本の不動産登記には公信力がありません。所有権に関する登記も義務ではないため相続が発生してもそのままになっている土地がかなり多くあります。法務省の調べでも50年以上、登記簿上の所有者が変わっていない土地が都市部で約6%、地方では都市部、山間部併せて約26%にもなることがわかっています。

 

相続されない様々な原因

土地の相続がきっちりとされていない原因には、まず後継者がいないことや相続でもめたままになっていることが考えられます。しかしそれらをさらに放置することで、法定相続人は次の世代に既に移っている可能性も高くなっているのです。一代分の相続登記を完了していないがために一つの土地に100人以上の法定相続人が見つかったという例もあります。

こうなってしまうと、その全員の行方を探すことも登記を完了することも不可能に近い状態になってしまいます。さらに現代では親戚付き合いも希薄になってきています。中には自分が相続人になっていることに気づいてない人も多いと言われています。

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混乱してしまう前に相続登記を完了しておく

このように相続登記を放置された所有者不明の土地や空き家がどんどん増加しています。災害発生時や空き家が倒壊になるような問題となったときにも真の所有者を探す事を大変困難になります。その作業を行政側だけに任せることにも限界があります。一人でも相続人が見つかればそこから一つ一つ戸籍をたどっていけますが、一人の相続人にも辿れない場合が決して少なくありません。

今は処分をしない。或いはどうしたらいいかわからないから名義もそのままにしている。そういう土地や建物がある場合は、このような所有者不明地になってしまう前に、相続登記を完了し適切な売却や活用方法について早い段階で相談しておくことをお勧めします。