2017.10.25

プロ目線の住宅購入アドバイス!

プロが持つ独特の視点を知ることができたら、不動産購入に活かせると思いませんか?
今日は、そんなプロ独特の視点について、実例を交えてご紹介したいと思います。
購入者とは少し違う「プロ目線」の一例をご紹介しますので、参考にしてみてください!

 

1・色々な時間軸で考える

2.時間軸で何が変わる?

3.実際にあったケースから考えてみる

4.プロの意見を聞いたAさんの決断とは?

5.まとめ

 

色々な時間軸で考える

 不動産の仕事で実績を重ねていくと、机上の勉強では見えないような事もたくさん経験していきます。
その中で、今回ご紹介したいのは、プロから見た時間軸のお話です。実は、時間軸の設定によって、不動産価値の捉え方は変わってきます。
時間軸とは、その不動産を「いつまでの期間で考えるか」ということです。
お客様の家族構成や人生設計によっては、購入した不動産を数年で手放す予定の人もいますし、反対に超長期で保有する人もいますよね?
では、様々な保有期間(時間軸)で検討することによって、不動産購入にどのような違いが出て来るのでしょうか。

以降の内容で、具体的な事例も交えて見ていきましょう!

 

時間軸で何が変わる?

 それでは、仮に時間軸を30年に設定して考えてみましょう。例えば、35歳で土地付の住宅を購入して、65歳まで住む計画のような場合です。よくあるケースですよね?

しかし、日本人の平均寿命は男女共に80歳を超えていますから、その後の住居についても購入時に少しは考えておく必要がありそうだと思いませんか?
多くの購入者は、ローンを支払い終えるまでを時間軸として考えています。
しかし、お客様のライフスタイルに将来の売却の可能性を感じれば、「30年後の売却時に価値が下がりにくい」という部分にも着目するのがプロの視点(時間軸)というわけです。

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実際にあったケースから考えてみる

 では、時間軸を変えて検討すると、どのような違いが発生するのか、実際の事例で見てみましょう。

Aさんは、○○町限定といった狭い範囲で家探しをしなければならない事情がありました。探せる範囲が狭いので、当然ながら検討できる物件が少なくなります。困ったことに、時間的にもそれほど猶予が無く、半年以内に探す必要がありました。
そして、Aさんの予算設定は、その周辺で家を買うには少し足りない印象でした。

 中古物件で一つだけ予算内で買える物件があったのですが、Aさんの希望よりも狭い間取りでしたし、築年数が古い物件でした。
Aさんには、将来の建替えやリフォーム費用が発生するリスク等も伝えましたが、Aさんは「その物件に決める」と言い出しました。
その理由は、「時間的にも予算的にも余裕がないので、我慢するしかないと思う」というものでした。

 そんな時、偶然にも間もなく着工するという新築物件の情報が入りました!駅からも近く、土地の形状や日当たりも比較にならないほど良いものでしたが、その新築物件は、Aさんの予算より700万円も高い物件だったのです。

 個人の判断ですから、どちらを選ぶべきかに正解はありませんが、予算的に無理ができるのであれば、判断を変えることができるタイミングです。
貴方なら、どう比較し、どう決断するでしょうか? 

プロの意見を聞いたAさんの決断とは?

 プロの本音としては、お客様に無理をさせる提案をするのは勇気がいります。信頼が無ければ、単に高い物件を買わせようとしていると思われてしまう可能性があるからです。Aさんには、プロ視点から次のような検討ポイントを伝え、もう一度だけ考えて結論を出してもらうことになりました
    駅から近く、日当たりが良い物件は、売却時の価値が下がりにくい。
    売却によって土地価格分は戻ってくるので、売却時の価値を考えての比較は重要。

  • 日当たりや間取りが悪い中古物件は、改築時も売却時もロスが出やすい。

Aさんは、時間軸を変えて考えた結果、将来売却する可能性も考えて、予算より700万円高い新築物件を購入しました。10年以上経った今でも「あの時、中古を買わなくて本当に良かった」と仰っています。

 

まとめ

不動産は、所有する時間軸によって、売却時の価値を推し量る目が重要になる場合があります。
老後は駅から近いマンションで暮らしたいといった人は、少し無理をしてでも売却価値が下がりにくい物件を検討したほうが良い事もあります。住宅ローンを完済するまでの時間軸でしか考えていない人は多いのではないでしょうか。住宅ローンの上限や、親族からの援助の有無等によって実現できない場合もあるとは思いますが、先の事を見据えて時間軸を考えた不動産購入をしていただけたらと思います。