2016.12.18

不動産チラシどうみるの? ⑤ 道路の種類と意味

チラシの中には、前面道路、接道、公道などなど 道路について聞きなれない言葉が沢山出てきます。
今回は、道路について詳しくご説明致します!

 

  1. 道路の種類から何がわかる?
  2. 道路の幅員と方角で何がわかる?
  3. 私道負担とセットバックの意味は?
  4. 私道のデメリットとは?

 

道路の種類から何がわかる?

道路には、私道と公道があります。
建築基準法上では、これを更に「道路ができるまでのいきさつ」によって分類しています。

 

公道 

国・県・市区町村等による公的な計画によって造られた道路が公道です。(建基法第42条1項1号、42条1項2号)
将来的に整備が予定されている道路については、「計画道路」等と記載される場合もあります。(建基法第42条1項4号)

 

私道

私道については、3つ覚えておきたい事があります!

■1つ目は、「位置指定道路」と呼ばれるものです。(建基法第42条1項5号)
位置指定道路とは、行政から「この位置に造るなら道路として認めてあげますよ」という条件指定を受けた道路です。
位置指定道路に認められると、建築基準法上で認められた道路になる為、建築の許可等が受けやすくなることや、維持管理についての補助金が出る場合がある等のメリットがあります。

■2つ目は、「2項道路」と呼ばれる幅員4m以下の道路です。(建基法42条2項)
2項道路とは、現在4m以下の幅員しかない状況を、行政からチェックされている私道です。2項道路は、建築基準法上では道路として認められていませんので、この道路に面して建築するときにはセットバック義務が発生します。※セットバックについては、次項にて解説。条件をクリアすれば道路としてみなしてもらえる為、「みなし道路」とも呼ばれます。

■3つ目は、「但し書き(ただしがき)道路」と呼ばれる、道路のような空き地です。(建基法第43条1項ただし書の規定に基づく許可)
但し書き道路は、建築基準法上の道路ではなく、道路のような空き地のことです。
「道路状の通り道はあるので、建築をさせてもらえませんか?」という許可申請が通れば建物を建てられることもあるのですが、将来的に再建築できる保証はありません。
この為、チラシに「再建築不可」と表記されることもあります。

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道路の幅員と方角で何がわかる?

道路の幅員が4m以上なら、建築基準法上の道路である可能性が高いことがわかります。
反対に、4m以下なら私道であることが推測できます。
道路の種類によって土地の価値が下がることもありますし、交通量等や日当たりの想像もできますから、道路幅員は重要な情報です。
実際には、周辺の建物の影響等にもよりますが、南や東に
接道する物件は比較的に日当たりが期待できると考えることができます。

 

私道負担とセットバックの意味は?

■私道負担とは、対象物件の土地に含まれている私道部分の該当面積のことです。
つまり、「私道負担有」という表示を見たら、私道部分を持つ物件なのだと思えば良いわけです。
この私道部分に、負担金等が発生するかどうかは、個別確認が必要です。

■これに対し、セットバック(道路後退)の場合は少し意味が違います。
セットバックとは、2項道路(みなし道路)に接道した土地に新たな建物を建築する際、後退義務が生じることです。
法的な理由で、物件に接道している道路を拡幅する義務がある為、建築時に自分の土地を一部道路として提供する義務のことをセットバック(道路後退)と言います。

私道のデメリットとは?

私道に接道している物件はたくさん存在していますから、検討する機会も多いものです。
私道は、公道に比べるとデメリットが存在しますが、多くの人がこのデメリットを理解した上で購入を決めているのも事実です。
私道は、個人の所有する道路ですから、原則として所有者が維持・管理を行うことになります。
道路の舗装がはがれたりして補修するときは、所有者が費用を負担しなければならず、共有で持つ場合全員の同意が必要となります。
整備費用を自治体等から補助してもらえる場合もありますが、原則は、自己負担になります。
また、水道やガス等の工事によって道路を掘削する必要が生じた場合にも、所有者全員の承諾を得る必要があります。
このような手続きは、業者が代行してくれることも多いですが、承諾を得ることが困難なケースや、時間がかかる場合があり、建て替え等の障害になることがあります。
税金面でも、状況によって宅地と同等の固定資産税が生じる場合や、役所へ固定資産税の減免を申請する必要が出る場合があります。
このように、私道には、所有者責任や手続きの面でデメリットがあることを覚えておきましょう。

 

今回のまとめ

◆道路の種類からは、道路が造られた経緯や接道価値がわかる。

◆幅員と方向から、日当たりや交通量などの想像ができる。

◆幅員が4m以下の道路は、私道であることが推測できる。

◆セットバックは、建築時に敷地の一部を道路に換えられてしまうこと。

◆私道は、管理責任が生じ、公道に比べて煩わしい手続きが生じる事もある。

◆私道には、固定資産税が発生する場合がある。

 

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