不動産チラシどうみるの? ⑪ 備考欄・各部名称・設備用語
チラシシリーズで様々な基本的な事をご説明しましたが、いよいよ最終回です!
- 備考欄・告知事項はココが大事
- 各部名称の意味
- 設備用語の意味
備考欄・告知事項はココが大事
チラシの備考欄に記載されている事項は、その物件特有の内容であることが多く、大事な情報が得られる記載欄です。
何かの事業計画(地区計画や土地区画整理事業等)に該当している場合にも、備考欄にその旨が記載されることがあります。
道路整備の予定(計画道路)や、高圧線有無等の他、隣地が墓地である等、人が好まない周辺状況である場合にも特記する事があります。
また、備考欄に『告知事項有』の記載があった場合には注意しましょう。
告知事項とは、契約者が「知っていれば契約しなかった」と感じる可能性のある情報のことです。
シロアリ被害についての事等、人によっては購入の決断に影響するような情報のことです。建物内で自殺があった場合や、近隣に暴力団事務所があるといったケースもあります。『告知事項有』と記載があった場合は、必ず詳細を確認しておきましょう。
各部名称の意味
チラシ広告で良く出てくる言葉の中で、建物の構造や場所(間取りの一部)を示すものを取り上げておきます。
知らない言葉があれば、参考までに一読しておくと良いでしょう。
『ビルトイン車庫』(ビルトインガレージとも呼ぶ)
建物と一体化した構造で、1階部分にトンネル状にスペースを設けた車庫のこと。屋根のある駐車場になる反面、1階の間取りが狭くなってしまいます。
狭小地や三階建物件に多く用いられます。
・ガレージの面積は全て建築面積に含まれるため、建ぺい率の対象になります。
・また、容積率は、ガレージの面積が延べ床面積の1/5以内であれば、床面積に含めなくてもよいとされています。
お住まいの地域により、高さや材質などに規制がある場合があるので要チェックです。
『ワイドバルコニー』
通常よりも出幅(奥行)の長い多目的スペースになっているバルコニー。その面積が、建築基準法上の床面積として算入されることになることが多い。
『ルーフバルコニー』
屋上を有効利用して造られた、バルコニーのことで、3階建等に多く、「ルーフガーデン」・「ルーフテラス」等とも呼ばれる。
個別の階段から屋上に出るタイプが多い。
『ウォークインクローゼット』(walk in closet)
小さい個室のような、少し広めの収納庫のこと。棚やハンガーパイプ等を取り付けてあることが多い。WICと表記されることが多いが、WCLと表記する会社もある。
『グルニエ』(小屋裏収納・屋根裏収納)
天井と屋根の間の空間を利用した収納スペースのこと。折りたたみ式等、固定式ではない梯子が付いている。
『ロフト』
天井高を利用した中二階スペース(密閉されていないフロア)のこと。掛け梯子等で昇降するものが多い。
『サービスルーム』
間取り上では「S」と表記されることも多い。納戸等に使えるフリースペースの意味で、窓の有無や面積の関係で部屋としては記載できる為サービスルームで表記されています。
『インターロッキング』
外構の舗装に使用されるブロックの一種。ブロック同士が結合(ロック)し合うことで加重分散される構造から付いた名称。雨水が浸透しやすい特徴がある。
設備用語の意味
住宅設備には色々なものが存在しますが、チラシには短縮された言葉で記載されることも多く、聞き覚えの無い言葉もあると思います。
主要な設備用語の中からピックアップした以下の用語をチェックしてみましょう。
『全室証明付』
居室にシーリングライト等の照明が付いているという意味。通常の建売住宅では、販売時に居室の照明が付いていない為、最初から装備していることをアピールするための表示。
『全室網戸付』
全ての窓に網戸が付いているという意味。建築会社によっては、網戸をオプション商品としている為、標準装備している旨をアピールするための表示。
『複層ガラス』
複数枚のガラスを重ねて、ガラスとガラスの間に中間層を設ける構造の窓ガラスのこと。ペアガラスと呼ばれることも多い。※ペアガラスは、旭硝子の登録商標
『LOW-eガラス』
Low Emissivity(低放射)の略。特殊な金属膜を複層ガラスにコーティングしたもので、普通の複層ガラスよりも断熱性能が高い。
『カウンターキッチン』
キッチンとリビングの間にカウンター(小テーブル)が付いている対面式キッチンのこと。カウンターが無いものは、単に「対面式キッチン」と表記する。
『カップボード』
食器棚のこと。「カップボード付」と表記のある物件は、キッチンの色に合わせて同メーカーの食器棚が備え付けてあることが多い。
『食洗機付』
キッチンに内蔵するタイプの食洗機が付いている際に記載される。
『LD床暖房』
フローリング(床)の下に埋め込んだ暖房器具。建築会社によって、施工範囲が異なる為、設置面積の確認をすると良い。電気式とガス式がある。
『HEMS』
ホームエネルギーマネジメントシステムの略。家庭で使用するエネルギー量をモニターで視覚化したり、自動制御できる管理システム。エネルギー全般の効率化が期待できるが、導入費用が高い。
『ウォシュレット2台』
戸建ての場合、設置台数を「○台」等と入れることで全てのトイレがウォシュレットであることを表示します。1階はウォシュレット付で、2階が普通便座という場合もありますので表記に注意しましょう。
『浴室乾燥機』
浴室の天井や壁等に設置し、カビの発生を抑制するための換気を行える機械。暖房機能や衣類の乾燥を備えた機種が多い。電気式とガス式がある。
『1坪バス』
浴室のスペースが約1坪という意味。他にも、浴室サイズには、0.75坪・1.25坪・2坪等、様々なタイプがある。
『浴室TV付』
浴室の壁にテレビが内蔵されているもの。お風呂に入りながらテレビを観ることができる。
『ジェットバス』
浴槽の中に気泡を噴射する穴が付いている。気泡の噴射によって、マッサージ効果や血行促進効果が得られるもの。
『ミストサウナ』
浴室に温水を霧状にしたミストを充満させ、サウナ効果を得るための装置。
以上です。設備も上記の様な事を覚えておくと、見学前にも物件の良しあしがわかりますね。
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