不動産チラシどうみるの? ⑨ 宅地造成工事規制区域・防火地域・高度制限等
都市計画、建ぺい率、容積率っていう言葉は聞いたことあるけれど、
宅地造成工事規制区域・防火地域・高度制限等って何なのかな?
言葉だけでも難しいですよね。簡単に説明しますので、宜しければ読んでください。
1. 宅地造成工事規制区域って何?
2.防火地域と準防火地域って何?
3.高度地区と斜線制限とは?
宅地造成工事規制区域って何?
宅地造成工事規制区域に該当する土地は、一定の宅地造成工事をする際に行政の許可を受ける必要があります。(宅地造成等規制法にて規定)
宅地造成工事とは、建物を建築するために土地を改良する工事のことです。
災害時等に崖崩れや土砂の流出等を生じる恐れがある、山すそや傾斜地などの場所の造成工事については、行政機関が工事方法の指導をしているわけです。
具体的には、宅地造成時に一定規模の切り土や、盛り土を行う工事等のことです。
『宅地造成工事規制区域内』と記載されている物件は、大規模な造成現場や丘陵地等に立地する物件であることが多く、上記のような工事規制がかかる場所であるということを示しています。
防火地域と準防火地域って何?
建物が密集しやすい、ビルが建ち並び密集するような主に建ぺい率・容積率が高く主に商業地域や中心市街地では、災害時の大規模火災を抑制する目的で、一定の基準を満たす防火対策が必要になりますので、防火地域や準防火地域に指定されています。
この地域では、防火耐性等に関する規制が適用されることになります。具体的には、建築資材や構造等について一定の防火対策を求められる為、建物の建築コストが大幅に高くなります。準防火地域でも、防火地域よりも規制は緩いものの、建物の構造や使用建材等に規定があります。
どちらの防火地域にも指定されていない地域は、建築基準法に基づいた建築をすれば良い地域です。
また、一つの土地に複数の防火指定がまたがる場合には、厳しい方の規制が適用されることになっています。
高度地区と斜線制限とは?
先の項目「建ぺい率と容積率」で建ぺい率と容積率からいうと3階建ての建物まで建築することが可能ですが、
もし、自分の家の前の建物が三階建てだと日照が確保できなくなります。その為、「日照」を保つために高度地区・斜線制限等で建物の高さや形状を制限することになります。
街の風景を見ると大きい高いマンションなどで、階が上がると段々と建物がスリムになっているのが見れますが、まさしくそれが制限されての形状になるのです。
高度地区
とは、建築物の高さの最高限度(または最低限度)を定める地区のことです。
高度地区は、各自治体によって制限内容が異なりますので、詳細については役所等での確認が必要です。
『第一種高度地区』といった表記で区分されており、第二種、第三種と種別の数字が大きくなる程、高い建物が建てられる地区になります。
3階建住宅の建築を予定した土地探しの場合等、高度地区の種別によって最上階の間取りが成り立たなくなることがある為、高度地区は大変重要な要素になります。
高度地区は、建物の高さの限度についての規制ですが、斜線制限は少し意味が異なります。
斜線制限
には、道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限の3つがあります。
どの制限の場合も、それぞれの方向から上空に向かって斜めの線を引いたと仮定します。
そして、その線に建物が当たらないように建築(設計)するのが斜線制限です。
簡単に言えば、建物がこの仮想の斜線を避けることで、周辺の環境が保たれるように設定されているわけです。
道路斜線や隣地斜線に建物が当たらないようにすることで、自動的に通風や採光が確保されるということなのです。
また、北側斜線制限については、北側の日照を確保する目的で、一定の地域だけで適用されます。
北側斜線制限が適用される用途地域は、低層住居専用地域(1種・2種)と中高層住居専用地域(1種・2種)だけです。
土地を選んで建物を建築する場合、建築士が全部計算して設計してくれますので、こんな事も決まってるんだ!くらいで認識をしておけば大丈夫です!
今回のポイント
◆宅地造成工事規制区域は、崖崩れ等を防止するための工事規制がある場所。
◆防火地域は、大規模火災への備えが厳重な場所の為、建築コストが高くなる。
◆準防火地域は、防火地域に準ずる場所で、建築コストがやや高くなる。
◆高度地区は、高さについての規制で、自治体によって規制値が異なる。
◆三階建の建築には、第二種高度地区以上が望ましい。
◆斜線制限とは、通風や採光を確保するための建築規制のこと。
◆斜線制限には3種類あり、用途地域によって適用されないものがある。
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